「ジルコニアカンチレバー接着ブリッジ」とは
ジルコニアカンチレバー接着ブリッジ（以下、カンチレバー接着ブリッジ）は、支台歯の削除量が極めて少ない固定性のオールセラミックスブリッジです。従来の接着ブリッジは欠損歯に隣接する両側の歯を削って製作（２リテーナー）する一方、カンチレバー接着ブリッジは、欠損歯に隣接する片側の歯のみを支えとする、いわゆるシングルリテーナーのカンチレバー（片持ち梁）式ブリッジであり、歯質の削除量が少なく、支台歯に優しい治療法です。麻酔や手術も必要としない、さらに着脱式でもない、前歯部の１歯欠損に対応可能ですので、お気軽にご相談ください。
特徴01隣り合った歯をほとんど削らない
従来の接着ブリッジ治療では隣り合った歯（両側）を削る必要がありましたが、カンチレバー接着ブリッジは隣接する片方の歯一本で済み、ダメージを最低限にできます。
特徴02無麻酔・痛みを軽減・手術不要
形成をエナメル質内にとどめられるため、麻酔が不要で、体への負担が軽い方法です。インプラント治療のような外科手術は不要です。
特徴03インプラント治療ができない方へ
心臓病、高血圧、糖尿病などの全身疾患を有するためにインプラント治療ができない方、また、インプラントの手術が怖いという方にもカンチレバー接着ブリッジは適応できる場合があります。
特徴04取り外す必要がない・異物感が少ない
接着剤で固定するため、取り外しの手間がかからず、噛む機能が高く、外れ落ちにくい。装着時の違和感が少ないことが特徴です。
特徴05治療時間や治療期間の短縮
従来のブリッジ治療に比べ施術時間が短く、短期間で装着可能です。
このようなお悩みを持つ方におすすめです
- 顎骨の量が充分にないなどの理由で、インプラント治療が行なえない方
- 入れ歯の使用感に不安がある方
- 残っているご自身の歯をできるだけ削らず大事したい方
- 麻酔や手術が苦手な方
- 治療を短期間で終わらせて効果を得たい方
- 高い審美性を求めている方
インプラント、入れ歯、ブリッジの選択で悩まれている方へ
当院では失った歯に対する治療として、インプラント、入れ歯、ブリッジ、そしてカンチレバー接着ブリッジを実施しています。
それぞれに特徴とメリット・デメリットがあるので、患者さんの状態とご希望に合った方法を選択していただきたいと考えています。
事前の精密検査はもちろんのこと、じっくりとカウンセリングいたしますので、お悩みやわからない点などは、どんな些細なことでも気兼ねなくご質問ください。
他の治療との比較
インプラント治療との違い
インプラント治療とは、チタン製のネジを顎骨に埋入し、その上にかぶせ物をする治療法です。外科処置が必要となり、他の治療法と比べ精神的・肉体的負担が大きくなります。ドイツのインプラント学会のガイドラインでは、25～30歳までのインプラント治療を推奨レベルBとしているため、カンチレバー接着ブリッジはインプラント治療よりも10～15年以上の差をつけて早期に治療開始できます。また、カンチレバー接着ブリッジはインプラント治療と異なり、手術は行ないませんし、治療期間も30日程度で終了します。インプラント治療を考えているが「手術が怖い」「すぐに噛めるようになりたい」「治療費を抑えたい」という方にはカンチレバー接着ブリッジをお勧めいたします。
部分入れ歯治療との違い
部分入れ歯は、金属のバネを歯に引っ掛けて安定させる装置です。バネをかけた歯に過度な力が加わることで、ばね自体も目立ってしまうというデメリットがあります。他の方法を比べて噛む力が弱く、装着時に違和感を覚えることも多いです。着脱することが前提の装置なので、患者さんご自身で取り外して清掃をする必要があります。カンチレバー接着ブリッジは接着剤で固定するため、取り外しの手間がかからず、噛む機能が高い、外れ落ちにくいといったメリットがあります。
従来の接着ブリッジ治療との違い
カンチレバー接着ブリッジと従来のブリッジ治療は共に欠損部に隣接した歯を支えとして利用する欠損治療法です。カンチレバー接着ブリッジ（シングルリテーナー）は、欠損部に隣接した片側の歯のみを支えとして利用します。従来法（2リテーナー）のオールセラミックス接着ブリッジでは、片方の連結部に破折がみられる傾向があるという研究がありますが、シングルリテーナーでは破折や剥離がみられず、長期生存率と成功率が高いことが示されています。
